理由がわかれば怖くない!「秋の冷え」で急増する足のつり(こむら返り)の原因と対策
試合中に突然「足がつった!」と動けなくなった選手を見たことはありませんか?
実際、暑い時期の大会では、足のつりによってプレーを続けられなくなったり、悔しい途中棄権になったりする選手も少なくありません。
では、暑さが落ち着いた秋になれば安心なのでしょうか?実は、秋にも足のつりには注意が必要です。「夏ほど汗をかかないから大丈夫」 「涼しくなったから、身体への負担も少ないはず」そう思っていると、思わぬところで足がつってしまうことがあります。
今回は、スポーツ中に起こる「こむら返り」の原因と、試合前・試合中・普段の生活でできる対策を、選手のみなさんにも実践しやすい形で紹介します。

そもそも「足がつる」とは?
メカニズムを知ろう!
皆さんはもうすでによく知っているかもしれませんが「足がつる」とは、筋肉が自分の意思とは関係なく、突然強く縮んでしまう状態です。
特にふくらはぎに起こるものを「こむら返り」と呼びます。
スポーツ中やスポーツ直後に起こる筋けいれんは、医学的には「運動関連筋けいれん」と呼ばれています。
足がつる原因として、昔からよく言われてきたのが、
- 水分不足
- 汗による塩分などの電解質不足
- 筋肉の疲労
- 準備運動不足
などです。
もちろん、これらはコンディションを考えるうえで重要です。
ただし、現在では「足がつる原因は水分不足や塩分不足だけ」とは考えられていません。
運動強度、筋肉の疲労、過去につった経験、その日のコンディションなど、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。
つまり、
「足がつった=水分が足りなかった」
と単純に考えないことが大切です。
なぜ「秋」にも足がつるの?
実は落とし穴が…
秋になって気温が下がると、夏より過ごしやすくなります。
ところが、ここに落とし穴があります。
暑い夏は「汗をかいたから水分を飲もう」と意識しますが、涼しくなると汗をかいていることに気づきにくく、水分補給が少なくなりがちです。
また、朝晩の気温が低くなることで、身体が十分に温まっていない状態から練習や試合が始まることもあります。
さらに秋は、大会シーズンと重なる競技も多く、
「涼しくなったから動きやすい!」
と、いつも以上に頑張ってしまうことも。
その結果、
前半は調子がいい ↓ 後半になると筋肉に疲労がたまる ↓ 突然、ふくらはぎがつる
というケースもあります。
秋だからこそ、「暑くないから大丈夫」と油断しないことが大切なのです。

「つらないため」にできる5つの対策
① 試合前から水分補給を
まず基本となるのが水分補給です。
秋は「そんなに汗をかいていない」と感じても、運動をしていれば身体から水分は失われています。
のどが渇いてから一気に飲むのではなく、練習や試合の前から、こまめに水分をとる習慣をつけましょう。
長時間の運動や、汗を多くかく競技では、状況に応じて電解質を含む飲料を利用するのも一つの方法です。
ただし、
「足がつる=塩分不足」ではありません。
塩分や水分だけで足のつりを完全に防げるわけではありません。
水分補給は、あくまでも身体を良い状態に保つための基本と考えましょう。
② 「食べる」ことも大切!
足のつり対策というと、水分補給やストレッチに目が向きがちですが、毎日の食事もコンディションづくりの大切な土台です。
練習や試合でたくさん身体を動かす選手は、それだけ多くのエネルギーを必要とします。
食事量が足りない状態が続けば、疲労が抜けにくくなったり、思うように身体を動かせなくなったりすることがあります。
普段の食事では、
ごはん・パン・麺などの「炭水化物」
肉・魚・卵・大豆製品などの「たんぱく質」
そして、
野菜・果物・乳製品などから「ビタミン・ミネラル」
をバランスよくとることを意識しましょう。
ここで大切なのは、
「足がつらないために、○○を食べればOK!」ではない
ということ。
バナナやスポーツドリンクなど、特定の食品だけに頼るのではなく、普段から身体を動かすために必要なエネルギーと栄養をしっかり確保しておくことが大切です。
大会当日の食事はどうする?
大会の日だからといって、急に特別なものを食べる必要はありません。
試合前は、消化の負担を考えながら、普段から食べ慣れているものを選びましょう。
例えば、
おにぎり+バナナ+ヨーグルト
など、食べやすいものを組み合わせる方法があります。
ただし、食事の量やタイミングは競技や個人差によって異なります。
「試合直前に食べたら調子が悪くなった……」ということがないように、普段の練習日から自分に合った食べ方を試しておきましょう。

③ 秋こそウォーミングアップを丁寧に
気温が下がる秋は、夏に比べて身体が温まりにくくなります。
特に、
- 朝早い時間の大会
- 気温が低い日の試合
- 長時間待機した後の出番
などでは注意が必要です。
軽いジョギングや動的な運動などを取り入れて、身体を少しずつ動かしていきましょう。
いきなり全力で走ったり、ジャンプしたりするのではなく、
「身体を起こしてから、本番の動きへ」
というイメージです。
④ 「試合後半」を意識した体力づくり
足のつりと関係が深いと考えられているのが、筋肉の疲労です。
「前半は絶好調だったのに、後半になると足が動かなくなる」
という選手は、後半に筋肉への負担が大きくなっている可能性があります。
普段の練習でも、
「最後までフォームを崩さず動けるか」
を意識してみましょう。
ただ練習量を増やせばいいというわけではありません。
練習と休養のバランスを考え、疲労がたまっているときには無理をしないことも、競技力を高めるためには重要です。

⑤ 「自分がつりやすい条件」を知っておく
最後におすすめしたいのが、自分の「つりパターン」を知ることです。
例えば、
- 試合の後半につりやすい
- 暑い日に多い
- 連戦になるとつりやすい
- 練習不足のときにつりやすい
- 朝の試合でつりやすい
など、人によって違います。振り返るとそんなことありませんか?
「いつ」「どこで」「どんな状況で」つったのかを覚えておくと、自分に必要な対策が見えてきます。
大会後に、
「今日はなぜ足がつったんだろう?」
と振り返る習慣をつけてみましょう。
もし試合中に足がつってしまったら?
それでも、どれだけ準備をしていても足がつることはあります。
そんなときは、まず無理にプレーを続けないこと。
安全な場所で運動を中断し、つった筋肉をゆっくり伸ばします。
ふくらはぎの場合は、膝を伸ばしながら足首をゆっくり自分のほうへ曲げるようにして、ふくらはぎを伸ばします。
ポイントは、
勢いをつけて無理に伸ばさないこと。
症状が落ち着いたら、いきなり全力で復帰するのではなく、歩いてみるなどして状態を確認しましょう。
「足がつる=怖い」ではなく、「身体からのサイン」と考えよう
スポーツ中の足のつりは突然起こるため、選手にとってはとても怖いものです。
しかし、足がつることを必要以上に恐れるのではなく、
「自分はどんなときにつりやすいのか?」
を知っておくことが、予防につながります。
水分補給だけに頼るのではなく、
食事 + 水分補給 + ウォーミングアップ + 適切な練習量 + 休養
を組み合わせて、日頃からコンディションを整えていきましょう。
そして秋の大会では、
「涼しくなったから大丈夫」ではなく、「涼しくなった今こそ準備をしっかり!」
を合言葉に。
最後まで自分の力を出し切れる身体をつくって、悔いのないプレーを目指しましょう。

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