夏の試合でバテない身体に!パフォーマンスを高める水分補給とバテない朝食の選び方

2026.07.27

急に猛暑が続く毎日。夏の大会や遠征は日頃の成果を発揮する最高の舞台ですが、しかし、猛暑と高い湿度はアスリートの最大の敵。後半に足が止まったり、集中力が切れてミスを連発したりといった悔しい経験はありませんか?

そこで、夏のゲームを制するために必要なのは、技術や戦術だけではありません。「熱中症・夏バテにならないための食トレ」を高い意識で実践できているかどうかが、勝敗を分ける最大のチェックポイントになります。

今回は、フードコーディネーターのマヤコが夏のパフォーマンスを最大化するための「水分補給の極意」「バテない勝負朝食」、そして体を暑さに慣らす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」のメカニズムを徹底解説します!

なぜ夏はパフォーマンスが落ちるのか?熱中症と夏バテのメカニズム

食トレの実践前に、夏の暑さが体に与える影響を知っておきましょう。

体温調節のためにエネルギーが浪費される

運動をすると筋肉から大量の熱が発生します。通常は汗の気化熱などで体温を下げますが、高温多湿な夏は汗が蒸発しにくくなります。

すると体は体温を下げるために心臓を激しく動かし、血流量を増やそうとし、結果、動くだけで膨大なエネルギーが消費され、いつも以上に早くバテてしまいます。

脱水による血液量の減少

大量の汗をかくと、体内の水分と同時に塩分などのミネラルが失われます。これにより、血液量が減少し、筋肉への酸素・栄養運搬や脳への血流が滞ります。

これが、筋肉のけいれん、足がつる、判断力の低下や立ちくらみといった「熱中症」の初期症状を引き起こす原因です。ちょっとした身体の変化を見逃さないようにしましょう。

自律神経の乱れによる内臓疲労

冷房の効いた室内と猛暑の屋外を何度も行き来すると、体温をコントロールする自律神経が乱れます。自律神経は胃腸の働きも司っているため、ここが疲弊すると「食欲が出ない」「消化吸収能力が落ちる」といった状態を招きます。エネルギーを補給したいのに胃が受け付けない、この悪循環が「夏バテ」の正体です。

勝負は2週間前から始まっている!「暑熱順化」を促す食トレ

夏の試合で勝つための準備は、前日の夜や当日の朝だけでは間に合いません。最も重要なキーワードが「暑熱順化」です。

暑熱順化とは、「体を暑さに慣れさせること」。これが完了すると、以下のようなメリットが体に現れます。

  • より低い体温から汗をかき始め、体温の上昇を防ぐ
  • 汗に含まれる塩分の濃度が薄くなり、体内のミネラル損失を防ぐ
  • 血液の量(血漿量)が増え、心臓への負担が減る

この暑熱順化を完了させるには、およそ「7日〜14日間」が必要とされています。大会の2週間前から、日々の食事と生活で準備を進める必要があります。

暑熱順化を加速させる「朝食」の選び方と栄養学

夏の朝は食欲が落ちがちですが、朝食抜きでの試合や練習はNGです。朝食には、睡眠中に失われた水分とエネルギーを補給し、深部体温をコントロールする重要な役割があります。

暑さに負けない体を作るための「朝食の3大原則」を抑えましょう。

① エネルギー源(糖質・炭水化物)× ビタミンB1

ごはんやうどん、バナナは必須のエネルギー源です。特にお米は炊く過程で水分を多く含むため、「食べる水分補給」としても非常に優秀です。 また、糖質を素早くエネルギーに変えるには「ビタミンB1」が不可欠。不足すると疲労物質が溜まりやすくなるため、豚肉、納豆、豆腐、卵などをセットで食べましょう。

② 汗で失われるミネラル(カリウム・ナトリウム)

朝のうちに塩分とミネラルを体内に蓄えておくことが大切です。最適なメニューが「具だくさんのお味噌汁」や「スープ」。水分と塩分を同時に補給できるほか、ワカメやほうれん草、ジャガイモを入れれば、筋肉の働きをスムーズにするカリウムやマグネシウムも一緒に摂取できます。

③ 抗酸化作用(ビタミンC・ビタミンA・ビタミンE)

夏の強い紫外線や暑さは体内に「活性酸素」を生み出し、細胞を傷つけて疲労を増幅させます。これに対抗するため、トマト、キウイ、ブロッコリー、オレンジなど、色の濃い野菜や果物を朝食にプラスしましょう。

【朝からバテない!完璧な勝負朝食メニュー例】

  • 主食:鮭おにぎり(または梅干しご飯)
  • 汁物:豆腐とワカメとジャガイモのお味噌汁
  • 主菜:卵焼き または 納豆
  • 果物:バナナ または キウイフルーツ
  • 麦茶(コップ1杯)

パフォーマンスを落とさない!試合前後の水分補給の極意

「喉が渇いた」と感じた時点で、すでに体からは水分が失われており、運動パフォーマンスは低下していると言われています。最悪の場合、「自発的脱水」に陥ります。

※自発的脱水とは? 大量の汗をかいた後に「水だけ」を飲むと血液の塩分濃度が薄まり、体は濃度を保つために水分の吸収をストップして尿として排出してしまいます。結果、水を飲んでいるのに脱水が進む危険な現象です。

1. 試合前(~30日前)

試合が始まる1〜2時間前までに、250ml〜500mlの水分を、数回に分けて少しずつ飲みます。一気に飲むと胃が重くなり、パフォーマンスの妨げになります。「コップ1杯を15分おきに」など、計画的に飲み進めましょう。この段階では、普通の水や麦茶、あるいは薄めのスポーツドリンクが適しています。

2. 試合中

試合中は15〜20分おきに、100ml〜200ml(コップ1口〜1杯程度)を補給するのが理想です。 ここで重要なのが「温度」と「浸透圧」です。

  • 理想の温度は5℃〜15℃:クーラーボックスで冷やした状態。キンキンに凍ったものは胃腸の動きを止めるためNG。自販機で買った直後より少しぬるいくらいが最も吸収が早いです。
  • 糖分は2.5%〜5%の「ハイポトニック飲料」がベスト:市販の多くのスポーツドリンク(糖分約6%)は、試合中の過酷な環境下では少し濃度が濃すぎ、胃に溜まって吸収が遅れることがあります。市販のものを水で2倍に薄めるか、後述する手作りドリンクがおすすめです。

3. 試合後

試合後はすぐに体重を測り、「減った体重分の水分」をその日のうちに補給しましょう(500g減なら500ml以上)。

また、試合後30分以内の「ゴールデンタイム」に、水分と同時に「糖質」と「タンパク質」を摂ると翌日の疲労感が軽減します。100%果汁ジュースやプロテイン、牛乳などを活用するのがおすすめです。

家で簡単に作れる!熱中症・夏バテ対策ドリンクレシピ3選

市販のドリンクも便利ですが、自宅にある調味料や食材で、アスリートのコンディションに合わせた「特製ドリンク」を簡単に作ることができます。

レシピ1:【試合中・練習中に】基本の手作り経口補水液

汗の成分に近く、胃腸への吸収速度を最優先に計算した高機能ドリンクです。レモンを利かせることで、市販の味が苦手な選手でもゴクゴク飲めます。

  • 材料(1リットル分)
    • ミネラルウォーター:1リットル
    • 砂糖またはハチミツ:大さじ4〜5(約40g)
    • 塩:小さじ1/2(約3g)
    • レモン果汁:大さじ2
  • 作り方
  • ボトルに少量のぬるま湯を入れ、砂糖と塩をよく振り溶かす。
  • 残りの水とレモン果汁を加え、冷蔵庫で冷やしできあがり。
  • 栄養の働き
    • 糖分と塩分が絶妙なバランスのため、腸管での水分吸収スピードが格段に上がります。レモンのクエン酸がエネルギー代謝を円滑にし、疲労予防にも。

レシピ2:【試合後の疲労回復に】さっぱり梅ハニーウォーター

試合後の火照った体を内側からクールダウンし、筋肉のエネルギー源の回復を強力にサポートするリカバリードリンクです。

  • 材料(500ml分)
    • 水または無糖の炭酸水:500ml
    • 梅干し(塩分高めのもの):1〜2個
    • ハチミツ:大さじ1〜2
  • 作り方
  • 梅干しは種を取り除き、ペースト状になるまでよく潰す。
  • ボトルにハチミツ、潰した梅干し、少量の水を入れ、よく混ぜて溶かし、残りの水を静かに注ぎ、軽く混ぜてできあがり。
  • 栄養の働き
    • 梅干しの塩分が失われた電解質を補い、ハチミツの糖質がグリコーゲンの回復をサポート。暑い日の試合後に、水分・エネルギーをまとめて補給できます。

レシピ3:【夏バテで食欲がない時に】飲む点滴!甘酒バナナのスムージー

試合当日の朝、緊張や暑さで固形物が喉を通らない選手に最適な、究極のエネルギー補給ドリンクです。

  • 材料(1人分)
    • 米麹の甘酒(ノンアルコール):100ml
    • 牛乳または豆乳:100ml
    • バナナ:1本
    • 塩:ひとつまみ
  • 作り方
  • ミキサーにバナナ、甘酒、牛乳、塩をすべて入れる。
  • 全体が滑らかになるまで1分ほど攪拌してできあがり
  • 栄養の働き
    • 「飲む点滴」と呼ばれる甘酒の豊富なアミノ酸やビタミンB群に、バナナの持続性エネルギーが加わることで、試合中のスタミナ切れを強力に防ぎます。塩をひとつまみ足せば、甘みが引き立つだけでなく熱中症対策にも最適です。

正しい「食トレ」で過酷な夏の勝者になろう!

夏の熱中症や夏バテは、「根性」ではなく科学的な「正しい食トレ」で未未然に防げます。

「毎日の朝食」「適切な水分補給」「シーンに合わせた手作りドリンク」。このちょっとした食事の工夫などの小さな積み重ねこそが、試合終盤の苦しい局面でライバルに差をつける「もう一歩」の力を生み出します。

グラブスポーツは、アスリートのみなさんを食とギアの両面から全力で応援しています。今すぐ食トレを実践し、最高の勝利を掴み取りましょう!

Writer / akashi

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